私は経験年数10数年の理学療法士で、
立場はいわゆる中間管理職だ。
数は少ないが、入院患者へのリハビリも提供している。
このところ強く抱いている感情がある。
それは、現場に立てないもどかしさ、
患者の笑顔を肌で感じ取れない虚しさだ。
そんな状態で出会ったのが、ひとりの患者だ。
数少ない担当患者だ。
患者のカラダの状態は、決して良いとはいえない。
それは本人もわかっているが、私の前では、
絶対に弱音を吐かない人だ。
ただし、私の前だけ。
他の人の前では運動することを嫌だ!とさえ言う。
私の家族の話を楽しみに、
「娘さんどう?」
「運動会どうだった?」
「七五三は?」
と、とても表情豊かになる。
そして、私が提供する運動に一生懸命ついてきてくれる。
患者自身の気持ちを私が十分に理解することはできないが、
少なくとも私と接している時間は、
その方が活き活きとした表情でいられる時間であった。
私は、この方のために、
もっともっと理学療法士としての知識と技術を上げて、
その信頼と期待に応えなければならない。
そして、その方の生活に戻ったとき、
今以上にキラキラした表情で生活してもらいたい。
その方と接しているうちに気がついたことがある。
私もその時間が楽しくてたまらない。
体が軽くなる。
もしかしたら、
自分の方が気持ちが高ぶっているかもしれない。。。
元気を与える方が、元気をもらって、さらに元気になっている。。。
私はこんな体験から理学療法士としてのやりがいを再発見することができた。
頭で理解しても、感情で理解する機会は少ない。
これが、ラクシオンの地図【ルート1】
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