麻痺にトレーニングすると、
筋の緊張が上がってしまうのか??
硬くするのは緊張ではありません
緊張したまま、動かない時間です
麻痺した手に力を入れた瞬間、指が握り込まれる、肩がすくむ、肘が曲がってくる.
この経験をお持ちの方は、少なくありません.
「やはり動かさないほうがいいのでは」と感じるのは、自然です.
ただ、緩める機会を失うことこそが、硬さをつくります.
図1連合反応そのものではなく、その後の選択が経過を分ける
起 きている反応そのものは、一過性
起きている反応そのものは、一過性です
力を入れた瞬間に他の部位まで力んでしまう現象は、連合反応と呼ばれます.
努力量が過大なとき、あるいは課題の難易度が現在の運動制御能力を超えたとき、運動出力が目的の筋以外へ溢れ出す.
運動を止めれば消退する、可逆的な反応.
ここまでは、確かに起こることです.
問題は、この反応が起きたことではありません.
硬さをつくるのは、そのあとの時間
硬さをつくるのは、そのあとの時間です.
肘が屈曲し、手指が握り込まれた状態.
この短縮位が持続すれば、筋・腱・関節包の粘弾性は変化し、筋節数は減少し、コラーゲン線維の架橋形成が進みます.
緊張が上がったこと自体ではなく、上がったまま固定されることが、組織を変えていきます.
「硬くなるのが怖いから動かさない」——この選択は、恐れている結果そのものを、最も確実に招きます.
「動かす」ということは、緩めることも含みます
「動かす」とは、緩めることを含みます.
トレーニングとは、力を入れ続けることではありません.
収縮と弛緩を反復することです.
筋を緩め、動かし、また緩める.
この往復が、組織を短縮位に留まらせません.
動かしている間だけが運動なのではなく、その合間に確実に緩めることまでを含めて、はじめて拘縮予防として機能します.
動かさない選択は、この弛緩の機会ごと失うことを意味します.
必要なのは、緊張を避けることではなく、反復の回数を確保することです.
ラクシオンの原則
ラクシオンが大切にしていること
▶︎緊張が生じることを、許容する
私たちが最も重視しているのは、運動の感覚です.
自分の手が動いているという、その感触.
それを取り戻すには、力を込めて反復するしかありません.
その試行錯誤の過程で緊張が生じるのは避けられません.
それを恐れて負荷を下げれば、動きは育たず、感覚は立ち上がってきません.
だから、負荷をかけます.
▶︎感覚が戻ってきたら、次の段階へ
動きの感覚が湧き上がってきたら、そこからは質を求める段階です.
緊張を抑えた課題へ進み、より正確な動きを引き出していきます.
▶︎まず、手から始める
体幹や肩甲帯のトレーニングもしますが、順番は手が先です.
使われない期間が続けば、脳の手の領域は縮小していきます.
土台づくりはそのあとでも間に合いますが、失われた脳の領域は簡単には戻りません.
▶︎50-100回、反復する
動きを確認し、動きを妨げているものを取り除いてから、反復運動を行います.
動かせない範囲はラクシオンがサポートするので、動かせないことは妨げにはなりません.
終了時には、感覚の変化を共有します.
▶︎緊張を許容しない場合がある
緊張を許容するとは、何でも押し切るという意味ではありません.
次の場合は、その場で中止または内容を変更します.
- 痛みが出現したとき
痛みは許容しません.
運動を止め、原因を確認します.
- セラピストでも苦労するほどの連合反応が出ているとき
セラピストが徒手的に動かそうとしても抵抗が強く、可動域を動かせない状態では実施しません.
この場合はまず緊張を下げる対応に切り替えます.
この2つは、その場でセラピストが判断します.
ご本人が我慢して続ける必要はありません.
▶︎週に1度や2度では、足りません
だから、ご自宅での自主練習をお伝えします.
トレーニング後にはその日の変化と、次に意識することをメッセージでお送りします.
医療機関や介護関連施設と定期的に報告書をやり取りし、方針と併走します.
ラクシオン.は、神奈川県本厚木の片麻痺専門トレーニングジム.
脳卒中認定理学療法士が、麻痺した手の再建を目的としたトレーニングをマンツーマンで提供しています.

