先日、当ジム「R-accion.」の代表である小宮が、災害派遣福祉チーム(DWAT)の研修を修了しました。これにより、災害時には福祉支援のプロフェッショナルとして、被災地に派遣される資格を有します。特に伊勢原市で発災した場合、地域における迅速かつ適切な福祉支援の一員として活動することとなります。
今回の研修では、災害時の対応だけでなく、福祉における多様な課題や役割について学びました。
災害関連死の実態と教訓
災害によって引き起こされる直接的な被害のみならず、二次的な要因で亡くなる「災害関連死」の深刻さが浮き彫りになっています。
例えば、2016年に発生した「熊本地震」では、死者数270名のうち直接的な死者は50名でしたが、災害関連死者数は220名にのぼり、その割合は81.4%にも達しました。災害後の適切なケアや支援の欠如が、多くの命を奪った要因とされています。
(これには自分の無知が恥ずかしかった。災害により亡くなった方よりも、災害後に亡くなった方の数の多さたるや。これまでの生活を送ることができなくなることの多大なる影響を。)
災害時の要配慮者支援の重要性
災害時には、特に「要配慮者」と呼ばれる方々への支援が極めて重要です。要配慮者とは、高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児、日本語に不慣れな外国人など、災害発生時に特別な支援を必要とする人々を指します。これらの方々は、避難行動や避難生活の際に困難を伴うため、事前からの支援体制が不可欠です。
▼災害発生前から支援が必要な場合
災害前から福祉サービスが提供されている方々は、そのサービスが途絶えた場合、生活が著しく困難になります。
▼災害発生後に新たな支援が必要になる場合
健康状態が急激に悪化したり、地域の助け合いのネットワークが失われた場合、支援が必要になることがあります。
こうした方々を増やさないために、早期からの備えと災害後の迅速な対応が求められます。
災害対応の基本原則と避難所運営
災害時の対応には、以下の三つの基本原則が重要とされています。
1. 被災者中心:
被災者に寄り添い、多様なニーズに対応する。
2. 地元主体:
地域の文化や慣習に従い、地元の人々と協力する。
(郷に入っては郷に従え、ですね。他の町から来た支援者がボランティアだからといってなんでもやっていい訳ないですよね)
3. 協働:
災害時だけでなく、平時から顔の見える関係を構築し、共に活動できる体制を整える。
(ココ難しいですよね。核家族化が異常に進んだ今日。自宅のお隣のご主人がなんの仕事をしているかも知らないです、私。お隣のご主人がその息子と私の車の前でキャッチボールをするのはやめてほしいと常日頃思っています。)
また、避難所の運営は、避難者自身が主体となることが重要です。施設の管理者は避難所の適切な使用方法を指導し、支援者はサポートを行います。自治体職員は、行政との連携を図り、避難生活者の安全と健康を確保するための調整を担います。
(ここビックリしました!避難所に避難したら、行政の人とか自治体の誰かが色々やってくれると勝手に思い込んでいました。避難者自らが避難所を運営するんですね。みんなで協力して取り組んでいくわけですね。)
保健師などの専門職も、避難者の健康管理と危機対応を担当しますが、一部の専門職だけでは十分な支援が行き届かないことが多く、多様な分野の専門家が連携し、協力して支援活動にあたることが非常に重要です。
(専門家というのはその分野に秀でた方のことを呼びます。逆にいうと、他の分野のことは全くわからない訳です。私もそのうちの一人です。多様な専門家と被災者が一緒になって支援活動をしていく必要があるんですね)
余談ですが、「いわき震災伝承みらい館」行ってきました
もっとも印象的だったのは地震津波による被災者の当時を振り返ったコメントです。
「そこには助けを呼ぶ人の声があったはずなのに、覚えているのはゴォーという津波の音とブーブーという車の警告音だけです」
当時の午前中は学校で卒業式が開かれていたそうです。いつもの日常です。
「卒業おめでとう!みんなと過ごせた3年間は宝物だよ!」
2011年3月11日 午後2時46分
マグニチュード9.0の大地震
2011年3月11日 午後3時頃
津波到達
まとめ
この研修を通じて、私たちが目指すのは、災害時にも片麻痺などの障害を持つ方々が安心して避難できる環境を整えることです。そして、いざというときに動けないという方を、少しでも動けるようにすることです。今後も、「R-accion」としての専門性を活かし、地域の安全と健康を守る活動を続けてまいります。
(今からできる備えをしていきましょう、今日と同じ明日がくる約束はどこにもありません。非常用の備品の準備、自分のカラダ作り、周り近所との顔の見える関係、すぐに取り組むことは難しいかもしれませんが、今日から始めましょう!!)
キャッチボール、家の前でやるの、やめてくれないかな。
参考資料
「大切な命を守りたい災害関連死ゼロへ.日本セーフティー」
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