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感覚を味方につける、どうすれば良いのか?

更新日:2023年9月3日

参考にした文献・書籍

【後藤淳:感覚入力における姿勢変化.J.Kansai Phys.Ther. 10:5-14,2010.】

【ぜんぶわかる脳の辞典.成美堂出版,2015.】

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私はある日、脳卒中になった


もちろん想像もしていなかった


仕事をバリバリして忙しかった


健康に気をつけなければいけない世代だとは思っていなかった


確かに食事も生活のリズムも不規則だった


けど、周りのみんなもそうだった


私だけがそういう生活をしているわけではなかった


だから、普通のことでしょ


でも私は脳卒中になった


私は体格がよい方で、学生時代はサッカーで鍛え上げた


THE 体育会系


自主トレの量は誰にも負けたくない


いわれた量の2倍は当たり前、時には3−4倍


私はこの麻痺に負けたくない


今は杖もなく、装具もなく歩ける


仕事も新たに始めた


だけど、どうしても納得がいかないことがある


理学療法士や作業療法士が


「感覚が大事だ🗣️」


「感覚を感じて🗣️」


「ホラっわかる?🗣️」


っていうんです


これは入院でのリハビリでも、外来リハビリでも、自費リハビリでも、最新の脳科学を用いたリハビリ(HANDS療法、KINVISなどなど)でも、必ず言われる


だから、このポイント、コツが掴めれば麻痺の改善に大きく繋がる気がする…


だけど、


全くわからない…


私は麻痺を克服するために闘っている


だから、この感覚とは何か?について知りたい


どうすれば良いか知りたい



リハビリ中の様子

さて、感覚はとても大切です


しかし、感覚というあやふやな表現が麻痺の方を混乱させてしまっている、、、


そして、この疑問や混乱を現場のセラピストが解決できていない、、、



感覚とは何か?


感覚とは、なんですか?


感覚って、何なんですか?



揺らぐ担当セラピストへの信頼

みなさん、


そう思うべきです


その上で、


感覚を味方につける

そして、麻痺のある身体を向上させていくべきです



今日はそんな話をしようと思います


今回参考にした文献・書籍は、

【後藤淳:感覚入力における姿勢変化.J.Kansai Phys.Ther. 10:5-14,2010.】

【ぜんぶわかる脳の辞典.成美堂出版,2015.】


日常的に感覚を意識することはあるか?


  1. 朝起きて、

  2. トイレに行って、

  3. 顔を洗って、

  4. ご飯を食べて、

  5. 支度を済ませて、

  6. 家を出る


多少の違いはありますが、多くの方がこのような朝のリズムではないでしょうか?


感覚はこの生活の中のどこにあると思いますか?



伊勢原、トレーニングで元の日常を取り戻す

ここに感覚という視点を入れます



  1. (目覚まし時計の音がなったから、太陽の光が眩しいから、など)

  2.  朝起きて、

  3. (尿意があるから)

  4. トイレに行って、

  5. (さっぱり冷たい水の感じで目を覚したくて)

  6. 顔を洗って、

  7. (お腹が空いた感じがして)

  8. ご飯を食べて、

  9. 支度を済ませて、

  10. 家を出る



私たちは、感覚を頼りに生活しているといっても過言ではありません


しかし、私たちはあえて感覚を意識しながら生活を送っているともいえません


ほとんど認識なく、自然な流れで感覚による情報を頼りに生活をしています



脳卒中などになると、この感覚が突然に変化します


場合によっては、全く感じることができないこともあります


そして、その感覚を突然イメージしろ!意識しろ!といわれます、、、



ラクシオン,の小宮に相談しよう


トホホ...ですよね




そんな感覚について、本日は少し勉強しましょう



感覚


感覚を知る上で、知っていて欲しいことがあります


  • 感覚

  • 知覚

  • 認知


この3つは大きく違いますが、3つをまとめて一般に『感覚』と呼ばれています


詳しく説明します



🔻感覚


私たちの皮膚などにはセンサーがあります


それを専門用語で『感覚受容器』といいます


感覚情報を受け取るセンサーのことです



ラクシオン 皮膚の解剖学
※皮膚表面から皮下組織までの解剖生理学
VISIBLE BODYのご厚意により


何かに触れたり、押されたりするとこのセンサーが反応します


このセンサーによる反応は、大脳(脳)へ情報を届けます


脳は役割分担がされており、感覚に特化した部署へ情報が送られます


この部署の名前を、『1次体性感覚野』といいます

脳組織、感覚野、ラクシオン、片麻痺
※大脳皮質 感覚野のイメージ(青い部分)
VISIBLE BODYのご厚意により

ここまでが単純な感覚です


この時点では、センサーが受け取った情報を脳へ送っただけです


これが感覚です


この時点では刺激があったことはわかるけど、


それが何であるかは理解できていない状態です



🔻知覚


「感覚」という過程を経た情報は、脳の中の「1次体性感覚野」からさらに上の部署の「2次体性感覚野」へ情報が送られます


この部署では、情報がまとめられます


どんな肌触り?強さは?冷たさあった?痛みは?などなど


感覚の種類や質、程度・時間的経過などを確認する過程


これが知覚です



🔻認知


「感覚」→「知覚」という過程を経て整理された情報は「3次連合野」というさらに高度な部署へ送られます



感覚の統合、頭頂連合野
※頭頂連合野のイメージ(青い部分)
VISIBLE BODYのご厚意により

ここでは、


肌触りなどの情報に加えて、


音がしたか?見た目はどんな感じ?などの情報も加わり、


触れたものが何であるかを判別する場所となります


つまり、いくつかの知覚されたものを判断し、理解する働き


これが認知です



感覚 ➡️ 知覚 ➡️ 認知 と情報処理されていく

  1. 感覚

  2. 知覚

  3. 認知

感覚とは必ずこの過程を経て、無意識のうちに情報を脳へ送り、行動するための判断材料にしているわけです


感覚情報をキャッチして、知覚で情報を整理して、認知で他の情報と統合して判断する


感覚は脳の処理過程の一部の働きで、情報の源泉といっても良いかもしれません


この感覚の情報処理の流れが認知まで辿り着くことが重要です





感覚にはどんな種類があるか?


感覚は大きく分類すると、

  • 体性感覚

  • 特殊感覚

  • 内臓感覚

に分けることができます


今回は特に体性感覚と特殊感覚について説明します


※内臓感覚:簡単に説明すると、空腹や吐き気、渇き、腹痛などが当たります


内臓も運動にとても関わっています(このお話はまたどこかで)



🔻体性感覚


この感覚は、皮膚の受容器(センサー)が受け取った情報を脳へ送るとともに、


筋肉や靭帯、腱、関節などの動きもセンサーが反応し、身体の位置や動きを理解し、


円滑な動作とするために活用されます


特に手の細かい動きについては、指先の触覚が重要な働きをします


この触覚をもとに繰り返し練習し経験することが手先の器用さにつながります


精密な手の動き


🔻特殊感覚


運動に関わる代表的な特殊感覚は、視覚や前庭(耳)が挙げられます



▶︎ 視覚

視覚に反応するバランス

視力により目標物の認識ができたり、動きを判別することができます


また周囲環境と自分の身体の位置関係や動きを把握し、自分が空間のどこにいるのかという位置情報を伝えてくれます


多くの麻痺の方が、この視覚を活用してバランスや歩いてる際の脚の動きを確認していますね


よく言われませんでしたか?


「前見てください〜、下は見ませんよ〜」って


視覚情報は大きく分類すると、Where経路(背側経路)とWhat/How経路(腹側経路)という情報の伝達ルートがあります


Where経路は、それがどこにあるのか?という座標情報を教えてくれます


What/How経路は、それが何か、どうやって使うものか?という記憶情報を刺激してくれます


ハサミが机に置いてあるとします


ハサミが置いてあることを認知する


机の中央にハサミがおいてあるな(Where経路)


あの形をしたものはハサミで物を切ることができるな(What/How経路)


と視覚情報が処理するわけです


これを担当するのは脳の後ろ側、1次視覚野、2次視覚野から頭頂葉(脳のテッペン)と側頭葉(耳の上のあたり、脳の側面)が関連しています



▶︎ 前庭

前庭とは端的にいうと『耳』の中にある組織です


ここでは平衡感覚を司っており、直進運動や回転運動をした際の速度変化をキャッチする場所です


この情報は、姿勢を維持したり、眼球の動きを調整するためにとても重要なものとなります


もし平衡感覚がないと少し頭が動いただけで眼球が揺れるように感じて即座に船酔いです


そして立っていることがままなりません、常に倒れてしまうような感覚に襲われてしまいます


そのため、安定した動きを獲得するためには、この前庭の働きを味方にする必要があります



感覚と神経の可塑性変化とは?


さて、ここまで詳しすぎるほど感覚の話について説明してきました


ここからは感覚と可塑性についてです



ニューロンネットワーク


脳卒中を患った方なら、一度は聞いたことがあるかもしれません「神経可塑性」


この言葉の意味は、「神経は柔軟に変化する」という意味です


ですが、必ずしも回復方向に可塑性変化する!と言い切れるものではありません



だからこそ、


過剰な代償動作によって生じる連合反応(他の部位も一緒に動いてしまう状態)は抑制しなければなりません


連合反応も可塑性変化の一部です


麻痺によって動かなくなってしまった関節が拘縮してしまう


これも可塑性変化の一部です


浮腫や感覚過敏、痛みも可塑性変化の一部です



癖や習慣によるものは可塑性変化です


この癖を変えていくためには、適切な感覚入力がとても重要


なぜなら、感覚によって身体の姿勢や動き方がわかる、確認できるからです


感覚がなければ、身体の姿勢も動き方もわかりません




感覚は、正確に動くための情報源


これまでの感覚についての説明を、まとめます



体性感覚や視覚、前庭による感覚の情報が脳へと届けられ、


身体の位置や運動について脳が処理し反応します


・特に体性感覚は身体の位置や動きについて(歩きの際の踏ん張りや脚の動き)


・特に視覚は周辺にある物と自分の位置関係について(周囲の安全確認)


・特に前庭は頭の位置や運動について(バランス)


あなたが、物を手に取ろうとする時や歩く時に不足している情報は何でしょうか?



手の感覚、感触は体性感覚



感覚と深い関わりがある、感情と自律神経


感覚と感情(気持ち)は大いに関わりがあります


体性感覚、視覚、前庭と感情を司る大脳辺縁系と呼ばれるところは情報交換がたくさん行われています



心理状況は感覚を捉えにくくしてしまう

つまり、感情の変化が感覚情報の伝達に大きく影響を及ぼすということです


感情の処理が必要な状態では、感覚の処理がうまくできない可能性があります




さらに感覚は自律神経とも大いに関係しています


適切な感覚情報を受け取るためには、血圧や心拍数、呼吸などにも注意が必要です



食事や睡眠、排泄リズムを整えることも感覚情報をキャッチするためには重要です



毎日の生活、それがトレーニングであり、神経可塑性


感覚は求めている動きの方向修正をするための情報源


真っ暗闇の中でサッカーボールを蹴っても、蹴った感触はわかってもゴールに入ったかどうか分かりませんよね?


ボールがゴールに入ったか分からなければ、キックの調整のしようがありません


だから、感覚が大切です


感覚を促通したいのではありません


動きを促通したいんです


感覚を通して



最後に


感覚を味方につける


そのために、毎日の生活リズムを整え、適切な感覚情報をキャッチし、身体を動かすことで目標とする動きを目指しませんか?


規則正しい生活リズムを


突然に登頂することはできません


一歩ずつ登っていくしかありません


登りましょう


そこに山があるなら



そこに山があるなら、一歩ずつ登っていこう


毎週月曜日、更新


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「できない」を背負っている人をゼロに。

片麻痺専門トレーニングジム R-accion.

代表 小宮 良太

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