理学療法士として、バランスが悪い方をたくさん診てきた
それはそうだ。
カラダの機能がこれまでと異なる状態になってしまった方が
リハビリテーションの対象だからだ。
カラダの機能がこれまでと異なり衰えている状態なのに、
頭、脳はこれまで通りに動こうとしてしまう。
脳はとても繊細で、複雑な機能を持っているが、
こういった点については、とても弱い。
だから、幼稚園などのお父さんリレーで転んでしまう人が続出する。
そんなカラダの衰えた機能と、脳の不一致を
すり合わせていくのもリハビリテーションの一つといえる。
私の若手の頃も含めて、
セラピストはバランスをとる方法を一生懸命に練習、指導する。
そして、もちろん釣られて患者さんも一生懸命に練習する。
バランスをとる方法を習得することが最善だろうか?
バランスを取るとは何か?
私はこう考える。
「重心がブレて、安定状態から脱しようとした時に安定させるための反応」
この反応の練習も確かに必要である。
でも、根本はそうではない。
重心がブレる
これを最小限にしてあげれば、そのための反応も最小限で済むのではないか?
重心がブレにくくするためにはどうするかを考える必要があると言いたい
それが最善だと私は考える
重心がブレにくくするために、
カラダを一本の糸のようにピンっと張らせる必要がある
下から上まで、撓みなく。
年齢を重ねると、重力に負けて腰が曲がったりすることがある。
糸を張らせることができなくなってきた状態である
一本の糸が上下に張り詰めていると、
重心はブレなくなる
ベクトルといって、力の向きが集約されるからだ
張り詰めた糸は下から上に向かって、上方向への力が働くことはおわかりいただけるだろうか
ここがポイントだ
この糸が緩むと一定の方向の力(上に向かう力)が分散してしまい、
様々な方向へ力が働いてしまいブレやすくなってしまう
一定方向への力の向きの集約が大切なのだ。
そして、人は地球上の大地に立っているわけだから、
地面からお天道様に向かった力の集約が大切。
これを専門用語で、抗重力伸展活動という。
重力に打ち勝つ力のことだ。
この方向に力を集約させるためのトレーニングが
バランスを良くするためのポイントである。
これを知らずにバランス対応の練習ばかりしていると、
重身のブレ、動揺が多い状態のままだから、
もちろん転びやすい
常にバランス対応をとっている必要があり、疲れやすい
やっぱり転びやすい
これは方向性を失い、推進力が落ちた組織にも当てはまりそうだ。
この話をすると、さらに長くなってしまうので、またどこかで。
私が言いたいのは、決まった方向への力の集約だ
これを練習、取り組むことが大切である
どんな事柄にも当てはまりそうな気がする
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました!!
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