「不随意な動きであっても、動きや安定、筋肉の維持に繋がる痙縮は悪ではない」
脊損患者へのPower Plateの活用方法@J-Workout より
パワーブレートカンファレンス
2024年6月13日 13:00-17:00
@power_plate_japan
パワープレートカンファレンスで登壇されたJ-Worlout福岡スタジオの今仲さんに直接会いに行ってきました
緊張しすぎて写真忘れましたw
そして、痙縮に対する考え方について直接伺ってきました!
その点も踏まえて、今回は「痙縮を使う」という内容をお伝えしていきます
痙縮は悪者か?
「不随意な動きであっても、動きや安定、筋肉の維持に繋がる痙縮は悪ではない」
これはとても大切なこと
病院にいると、痙縮はまるで悪者扱い
痙縮はダメです
痙縮が出てますよ
痙縮が強くなったので歩く練習を控えましょう
痙縮があるからボトックスやりましょう
一度は言われたことがあるのではないでしょうか
さらには、患者さん同士で「それは痙縮よ!」なんて指摘されたり
悪さする痙縮もあります
誤解しないでください
手を握り込んでしまい
自分の爪で手のひらを傷つけてしまったり、、、、
足の指が丸まって踏ん張れなかったり、、、
痙縮は悪い面もある
つまりあなたのその痙縮、本当に悪さをしていますか?という話です
確かに不随意(無意識で働くという意味) のためコントロールできません
ですが、
力が入って身体を支える一助にもなっていませんか
起き上がる時に手を巻き込まずに済んでいませんか
生活動作の一助になっていることもありませんか
人の体はその運動を維持するために、たとえ脳に障害を受けても
自分の身体をなんとか支え
手指をなんとか動かそうとする
その結果が痙縮ではないかと
科学的ではないかもしれませんが、
そうであってほしいと考えています
痙縮の原因は何か?
ここからはなるべく簡単にお伝えできる様に努めます
脳卒中後に痙縮が生じる理由は、脳や脊髄の神経系に損傷が発生し、筋肉の制御が正常に機能しなくなるためです
もう少し噛み砕くと、
脳がプランニングした動きと、筋肉が同期しなくなるということ
麻痺がない状態では、脳が考えた動きと筋肉の動きがシンクロ(同期)します
知っていますか? 健康な人でも、擬似痙縮をつくることができることを
シンクロできない状態を作りだすと、健康な人でもガクガク震え始めます
(※これはまたどこかで詳しく紹介します)
さらに踏み込んでみましょう!
同期ができない痙縮のメカニズム
以下の具体的なメカニズムが一般に考えられています
1. 上位運動ニューロンの損傷
脳卒中は、脳内の血流が阻害されることで神経細胞に損傷を与えます
これらの神経細胞は、筋肉の動きを調節するための信号を送りますが、脳卒中によりこれらの信号が適切に伝達されなくなり、運動を生じさせることが困難になります
つまり、脳卒中になると脳が傷ついてしまい、その命令がうまく筋肉に届かなくなります
すると、筋肉が自分勝手に動き始めて、ずっと固くなったり縮んだままになったりするのです
これが「痙縮」の始まりです
2.脊髄反射の過剰興奮
正常な状態では、筋肉の緊張状態を適切に調整します
しかし、脳卒中によりこの抑制が失われると、脊髄の反射回路が過剰に反応しやすくなります
この状態では、筋肉が過度に収縮し、これが痙縮(spasticity)として現れます
つまり、脳は筋肉が固くなりすぎないようにコントロールしています
でも、脳卒中でそのコントロールが効かなくなると、体がちょっとの刺激でもびっくりして、筋肉をギュッと縮めてしまうんです
3.ガンマ運動ニューロンの活動亢進
ガンマ運動ニューロンは、筋紡錘(筋肉の伸展を感知する受容体)を調整する役割を持っています
上位運動ニューロンの損傷によって、ガンマ運動ニューロンの制御も失われ、筋紡錘が過度に活性化されることになります
この結果、筋肉は伸びるときに過敏になり、筋緊張が強まります
つまり、筋肉には、伸びたり縮んだりすることを感じるセンサーがついています
脳卒中になると、このセンサーが敏感になって、少しでも動こうとすると、すぐに筋肉が固くなってしまうのです
4. シナプス可塑性の異常
脳卒中後、脳内で神経可塑性が異常に変化することがあります
これは神経回路が再編成される際に、正常な抑制機能が回復しないため、筋肉が常に収縮しやすい状態になることを指します
この過剰なシナプス可塑性が、痙縮の持続に関連します
つまり、脳は傷ついても新しい神経の道を作って体を動かそうと頑張ります
でも、その新しいやり方がうまくいかずに、筋肉を柔らかく保つ方法が見つけられないことがあります
これが、筋肉が固まってしまう理由の一つです
5. 筋肉の短縮と拘縮
脳卒中後、長期間にわたって筋肉が適切に使われないと、筋肉や腱が短縮し、関節可動域が制限されます
この状態も痙縮を悪化させ、関節が固く動かしにくくなります
つまり、脳卒中の後、動かせない筋肉は使われないままになることがあります
そうすると、筋肉がだんだん縮んで固くなり、ますます動かしにくくなってしまうのです
まとめると、
脳卒中で脳が傷つくと、筋肉にうまく命令が届かなくなったり、筋肉が過敏になって固まってしまったりします
この結果、身体を思うように動かせなくなり、筋肉がギュッと固くなる「痙縮」が起こります
簡単に言うと、脳が身体に「リラックスして」と言えなくなってしまうために、筋肉が縮んだままになってしまうということです
そんな状態で身体を動かし、生活し、仕事を
みなさんはしています。
痙縮は身体がなんとかしようとして起こっている面もある
これまで通りに動かせない中で、
必死に身体が、
自分の身体を動かそうと、
全てを動員して筋肉に指令を届け、刺激していると。
その痙縮がうまく機能すれば問題にはなりませんが、、、多くの場合は問題に。。。。
ではどんな痙縮がダメ?
柔らかさを阻害するような痙縮はダメです
踏ん張りを阻害するような痙縮はダメです
感覚を阻害するような痙縮はダメです
だからといって、ラクシオン.ではトレーニングをやめません
痙縮の要因を追求するために評価します
要因がわかれば、やってはいけないトレーニング方法と良い方法を判断することができます
痙縮 = 悪 ではない
しっかりとその性質を評価するべきです
あなたの痙縮は
なんとか身体を動かそうと
必死になった結果ではありませんか?
だとしたら、適切な動きになるように一緒にトレーニングをしませんか?
R-accion.でお待ちしております。
脳卒中認定理学療法士 小宮
Comentarios